わからないことに謙虚に 「さらば原子力発電」



 この図は、一貫して原子力発電所の危険性を訴えてこられた広瀬隆さんが著作のなかや講演会で使われてきた図です。半減期のながい放射性物質は、ダイオキシンと同じく生物の食物連鎖のなかで濃縮され、子供の健康に悪影響を与えてつづけていくという図です。数式では証明されない自然のいたずらで、地球上のすべてのいきとし生けるものの健康が狙われているわけです。何㏜なんて関係ないんです。

 原発を推進しようとする科学者たちは、自分の知りうるものだけが真実と思い込んで、原発安全神話を作り上げてきました。水俣病の有機水銀が胎児に影響を与えると訴えた当時熊本大学の原田正純先生の意見を、一笑に付して否定したのも日本の権威の医者たちでした。私が関係した久留米市の農薬工場の健康被害の裁判も、因果関係無しとされましたが、九州新幹線工事のときに驚くほどの高濃度のダイオキシンが検出され地下水を汚染していたことがわかったのもつい最近になってからでした。三井化学が農薬の中にダイオキシンが含まれていたことを認めたのも裁判が終わった後でした。
 現代の科学が、わからないことに対して謙虚さを失い、企業の利益の代弁者になっていることに、まさに今回の原発の事故があったのではないでしょうか。私は、彼らが「想定外」という言葉を簡単に使うことに怒りを覚えます。
 自分のしらないことに謙虚になり、現場からの声にしっかり耳を貸していれば、今回の事故は起こっていないはずです。原子力安全委員会の座長の斑目春樹さんこそ、福島原発の格納容器を設計した技術者の声を無視してきた張本人だったことは、ネットで放送されていました。代谷誠治さんもテレビに出て反省の言葉もなく「安全です」を繰り返しています。
 私たち人間は、自然界のほんの数パーセントのことしかまだわかっていないのではないかと最近私はよく考えます。そんな状態で、もしものときに人間の手に負えないようなエネルギーを使うことは絶対に許せないことだと思います。
 アメリカのスターングラス博士は、私が大学で学んでいるときから、原発周辺の分娩異常の発生率の上昇について訴えていました。もう40年以上も前のことです。当時、原子力の平和利用は、科学者にとっての目標だっただけに、強い衝撃をうけました。私が科学技術とは何かを考えて、科学の道を捨てたおおきな動機の一つでした。

 いまこそ日本のすべての科学者が、原子力発電の誘惑から解き放たれて、新しいエネルギーの創造に力を注ぐことに専念してほしいと思います。
 原子力発電をささえてきた何万人という原発労働者の犠牲に、今の原子力発電所が成り立っていることを忘れてはならないと思います。たくさんの人が何の救済を受けることなく放射線の障害で死んでいっていったことを忘れてはならないと私は思います。


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