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「皿倉学説」をよみました 松本清張生誕100周年

 あの7月の皆既日食の日に思い立って退職してからもう半年になろうとしています。あれから私は隣町水巻町の図書館に図書の返却期限の2週間ごとにかよって、そのたびに本を5、6冊借りて読むことを趣味にしています。いまでは、わずかな年金暮らしの私にとって、お金はかからないしこんないい趣味はないなあと、病みつきになってしまいました。そして、昨日図書館で書架をさがしていると「皿倉学説」という松本清張の短編集を見つけましたので借りてきて昨晩読んでみました。


 今日は(今年はと最初書きましたがテレビで偶然今日が誕生日ということを知りました)松本清張が生まれてちょうど100年目だそうですね。ついこのあいだビートたけしの「点と線」がテレビ報道されたし、「0の焦点」の映画も先日見てきました。
 清張は北九州市小倉の生まれなので、北九州にかかわりのあるところがその小説のなかにたくさん登場します。点と線では、私が学生時代によく遊びに行っていた香椎が舞台になっていました。
 「ある小倉日記伝」も、北九州に滞在した文豪、森鴎外を題材にしたものですし、小倉城のそばに松本清張記念館が建てられていて、北九州では人気のサイトになっています。

 そんな北九州とのかかわりの深い清張の作品のなかで、「皿倉学説」というのがあります。たぶんわが故郷の皿倉山からその名前をつけたんだろうといつも気になっていましたがよんだことはありませんでした。

 国立大学の医学部の権威であった主人公が、不名誉な不倫事件をきっかけに退官して弟子の世話で名誉教授の仕事をつづけているという設定の小説でした。主人公の名前は「採銅」教授。たぶんこれは清張の出身地から近い、採銅所という地名から取ったものだとおもいます。いかにも清張らしい、権威にしがみついている「白い巨塔」の現実をするどくえぐるさくひんだと思いました。

 政治とか権力などという生々しいところを調べ上げてじんわりとえぐり出すような文体に、あのナルシストの三島由紀夫は同じ文学全集に掲載されることを拒んだという話が伝わっていますが、なるほどと思いました。もちろん私は清張のほうがはるかに好きですが。

 小説の背景にある事件も、戦時中に福岡県で撃墜されたB29の乗組員を九州大学医学部で生体解剖したという事件のようです。
 皿倉学説の名前の由来は、皿倉山ではなくて、人間の聴覚と脳細胞との関係をサルの生体実験をとおして得たという実験データをもとに学会誌に発表した地方の医者の名前からきているものでした。その皿倉医師が、九州なまりのある老看護婦とひそかに会っていたということから、採銅老教授の疑惑がますますふかまります。それをいなか医師の価値のない発表としてきりすてる、学会では力を持った教授の元弟子たちと対立しながら、採銅教授の鋭い学問的な洞察力を描きだします。「実験となったサルの体重は50キロ」という言葉がキーワードになっていました。

 読んでみてわが皿倉山とは直接関係はありませんでしたが、話の根底に故郷福岡の歴史がながれていました。

 ついでに、映画「0の焦点」ですが、原作はわかいころに読んだ記憶があったのですが、すっかり忘れていたのが幸いで、映画をサスペンスとしてたのしく見ることができました。面白かったですよ。いちおうお勧めですね。

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