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天の川

 何年か前に、母の一番上にあたる姉(叔母)の葬儀の時、母の妹にあたる叔母が一冊の手製の本を葬儀に参列した皆さんに配布した。その本の中には、母とその三姉妹と兄と一番下の弟のことが記されていた。こどものころ鉄橋から川に飛び込んだ話。ヒルが足にくっついて蛇にかまれたと大騒ぎした姉妹の話。そんな戦争前の家族の話が、その手造りの本に記されていた。
 一番下の声楽で音楽学校を目指していた弟は、南太平洋で戦死した。一番上の兄は、美術学校を目指したがかなえられず、師範学校を卒業したのち教師をしながら俳句や文学の道をすすんだ。紡績工場の女工のストライキを指導したという理由で治安維持法で捕まり、それを聞いた祖母が倒れ、そして看病した祖父も脳溢血で急死したという。それは戦前のことだから私には、祖父母の思い出がない。
 失意のうちに釈放後東京にいった叔父は、教師をしながら雑誌の編集などをしていたが、戦争が終わる前の年の1944年、肺結核で小学校に上がったばかりの息子を残して妻とともに40歳の若さでこの世を去った。そして、その残された息子は、我が家で私の兄弟として一緒に育った。まだ健在だ。
 その叔父について、叔母が「天の川」という俳句の同人だったと記していたのを昨日読んでいて「天の川」という俳句雑誌はどんな雑誌だろうとネットで調べていた。叔父は、大分在住のころは大分合同新聞の俳句の選者として活躍したこともあるようだ。
 しかしながら、本当に偶然というものがあるもので、北九州市立文学館というところで、その「天の川」の同人の一人であった北九州市出身の俳人、横山白虹の特別企画展が行われたいた。もしかしたらその本を見ることができるかもしれないと思って、今朝バイクを走らせた。
 展示物のなかに「天の川」の初刊も展示されていた。大正時代のわくわくするような文学のエネルギーが伝わってきた。本は最近の俳句誌のような薄いものだろうと予想していたら、表紙のしっかりした分厚い本だったのには驚いた。
 中身をみることができたらいいのであるが、ガラスケースの中にあるものを見ることもできなかった。学芸員の方に聞いてみたかったが、今日は仕事で忙しくて対応できないとのことで残念だったが、本から見ているだけでも確かなものが伝わってきたような気がした。

 私が知っている叔父の俳句は「埃(ほこり)臭き児等親しめる麦の秋」の一句だけだ。「天の川」一冊一冊を丁寧に読むことができたら、もっとちがう叔父に会えるかもしれないと思うのだが、かなわないようだ。

 偶然のみちびきで古い本に会うことができた。ついでに文学館の隣の「松本清張記念館」もはじめて訪ねることができたのもよかった。


大正の 空にひろびろ 天の川
               どんぐり



松本清張記念館も面白かったです。清張の食らいつくような
取材の様子が展示物から伝わってきました。おすすめです。

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