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JCO事故から10年そして玄海原発MOX燃料使用開始

 昨日はあのJCO事故からちょうど10年目にあたった。ウラン燃料を製造する工場で、規定以上のウランを入れてしまって、世界的にも注目された重大なレベルの臨界事故を起こしてしまって、工場の労働者の命を奪い、周囲の住民を放射線被ばくさせた事故だ。

 私の学生時代の専攻は電子工学であったが、応用原子核工学の学生も同じクラスだった。その関係で、クラスの仲間にも九電や、東海村など原子力関連の企業に就職したものも多い。
 1970年当時は、ヒロシマ・ナガサキの経験から、原子爆弾に反対する世論は当たり前であったが、原子力の平和利用としての原子力発電については、日本のエネルギーの未来を担うもものとして、その是非を問うような議論はあまり見受けられなかった。
 しかし、原子核工学の助手をされている方が、アメリカの原子力発電所周辺の健康調査をしたスターングラス博士の報告を見せてくれた。原子力発電所周辺で統計的に有意な健康被害が起こっているという報告だった。それが私が原子力発電の問題を考えるきっかけとなった。

 原子力発電所といっても、特別に超能力を持った人間が設計したり運転したりしているわけではない。だから、間違いもすれば、ドジもある。思いこみもある。
 しかし、取り扱っている核物質は、100%の安全が保障されなければならない。そこで行政や、電力企業の原発を推進する方々は、何重にも安全が保たれているから事故の起こる確率は極めて小さいといわれる。計算上の確率は、それぞれの安全策の確率をかけたもので極めて小さいものになっても、実際の事故は、それぞれの安全策に偶然の連動で同時に引き起こされて、その計算が成り立たない。あのスリーマイル島の事故でも、チェルノブイリでも、ずさんな管理が行われていたわけではなくて、ありえないはずの偶然が重なった上での事故だ。
 いずれにしても100%の安全策なんてだれにもいう権利はないはずだ。そんな神様のような人間がいるはずがない。つい最近の地震で原発から煙があがり、全世界の注目を集めたのもこのあいだのことだ。さいわい、致命的なことにならなかっただけのことで、他の要素が重なれば世界に迷惑をかける事故もすぐそこにあったはずだ。今の原発の運転は利害と安全の綱渡りにすぎないのだ。

 ひとたび炉心溶融などの重大事故が起これば、原発のまわり3000キロがなんらかの形で被ばくすることになる。原発の事故はその国だけの問題ではない。チェルノブイリの事故の時、日本でもその放射能の飛来が確認されたのだ。放射能は目に見えぬ形で蓄積される。煙草にも、あのロシアのスパイを殺害したポロニウムがすでに微量蓄積されていて、それが発がん物質である可能性も否定されないのだ。いまでもチェルノブイリ周辺は住めない地区が広がっている。

 原発のもう一つの問題は廃棄物だ。セシウムやプルトニウムのようなとんでもない物質が処理することができなくてたまり続ける。とくにプルトニウムの蓄積は、潜在的な核抑止力となりうる物質で何十万年も放射能を出し続けるばかりでなく、ちょっと手を加えるだけで破壊的な原爆に変身する。「日本はその気になれば1カ月で原爆をつくれる」といわれるのはそのためだ。いまでは原爆級の純度でなくても原子炉級の純度のプルトニウムからも原爆を作れることは知られている。日本の原子力発電の平和利用計画は、種子島のロケットとともに潜在的な核抑止力としてはじめられたことはマスコミでも取り上げられたことがあるほどだ。

 この3日から玄海原発でそのプルトニウムの再利用計画としてMOX燃料の利用がはじめられる計画だった。しかし、ちょうど議会ではプルサーマルへの開始を延期する決議が審議中で、議会・住民軽視ということで、推進派の自民党からも議会軽視だとの疑問が出され、3日に燃料の装填が今日延期になった。

 MOX燃料とは、そのプルトニウムを再処理して、ウラン燃料に混ぜて燃やそうというものだが、その再処理には膨大な経費がかかるうえ、そんなにリサイクル効果がないそうだ。しかも、炉内にふあんていな状態を作ることが知られており、安全運転にとってはマイナスの要素になることが分かっているのに、あえて採算を度外視して続けるにはなぜだろうか。テレビの毎日の宣伝にも関わらず、いまやもう核燃料リサイクルは破たんしている。処分場が確保できずに、それぞれの原発に処分場を新設しなければならなくなっている。本当にそのことを住民は知っているのだろうかとおもう。
 JCOという会社もこのMOX燃料を作っていた会社だったようだ。

 さらに私が怒りを覚えるのは、原子力発電が下請けの労働者の放射線被ばくを前提に支えられている企業だということだ。基準以下であろうが、以上であろうが、放射線被ばくがいいわけがない。いままでたくさんの炉内労働者が白血病などになっているのに、労災もなかなか認定されない。放射能を含んだ水を雑巾で拭くような作業が原子力発電には不可欠だとお言うことは隠されているのだ。
 原発も、そういった労働力が確保しやすい比較的求人の少ない場所に立地されるといううわさまで聞いたことがある。そして、血液製剤などであれだけさわいだマスコミがこの問題に関してはかつて報道したことがないというのおかしい。この問題を取材していた写真家樋口健二さんは、NHKの取材が途中で突然中止されたと、被ばく労働者をめぐるマスコミの問題を訴えていた。

 最近、北朝鮮の核やロケット開発にについて過剰なほどに議論される。しかし、原発は普通のノドンミサイル一発で原爆以上の被害が周辺に起こる事実についてなにも議論しない。原発はミサイル攻撃に耐えうるように作られてはいない。いまさら何をさわいでいるのかと思う。国の安全を考えるなら、壊されて致命的な被害が起こるものをまず辞めることが先決だと思う。明らかにさわいでいる目的が違うのだ。

 MOX燃料に使われるプルトニウムは、ひと匙で何十万の命を奪うほどの毒物だ。許容量はないに等しい。プルトニウムという言葉は、海の魔王プルートーが語源らしい。冥王星の語源でもある。あのナガサキを破壊したどうしようもない悪魔の物質でもある。
 アメリカが名付けた冥王星も惑星のなかまからはずされた。そろそろこのプルトニウムも、地球上からその存在をはずす時だとおもう。

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