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アレン・ネルソンさんのご冥福をお祈りします

 9.11の事件のすこし後のことだった。私は福岡空港にアメリカの元軍人で戦争に反対しているというアレン・ネルソンさんを迎えに行った。現れたのは背中にギターを背負った小柄だが精悍な方だった。通訳の方の都合がつかず、しかたなく乏しい英語力で何とか北九州までお連れしたが、「英語はあまり得意でありませんが、お迎えにまいりました」というと、「私は日本語がまったくだめです」と返された。
 アレンさんはベトナム戦争に従軍して、戦争の悲惨な実態に触れた。「戦争では、人が人でなくなり、軍の教育では、敵を心臓を狙って一撃で殺すのではなく、下腹部を狙って殺せと教える。」とその講演のなかで語られた。
 9.11事件のあと、アレンさんの自宅の周りのほとんどの家に星条旗が掲げられ、大統領は狂気のように報復を訴えた。しかし、アレンさんは国旗を掲げなかったそうだ。
 それを見た近所の方が、「なぜ星条旗を掲げないのだ」抗議にきたので、アメリカがベトナムでやってきたことを考えたら、報復の戦争をすることには賛成できないと、自らの体験とともに訴えたそうだ。翌日その方の玄関先から星条旗が消えたという。

 われわれの日常生活でも、自分と同調するものは味方で自分と意見の合わないものは敵というような、二元論的なものの考え方をするものがよくいる。利益を上げることが一番大切になると、そのような人生観が生まれてくるのは必然だろう。
 これが、日ごろの人間関係だけならまだいいが、そんな考え方で国を動かしてしまうと、必ず行き着く先は戦争であり、殺し合いだ。そして、多くの無垢の子どもたちが一番の被害者になることは、今までの人間の歴史でいやになるほど経験してきたことだ。しかしいつの時代も懲りない人間はいるものだ。

 ネルソンさんはそんな挙国一致で戦争へと向かったアメリカのなかで、勇気を持って堂々と戦争に反対した一人だ。

 道中でお互いの家族のことなど話していて、医者の道にすすんだ娘さんの話をするときのネルソンさんの表情が、ほかでは見れないようなやさしい父親のすがただったことを今でも忘れない。また、その後再開できたとき、ナイストゥーミーツユーと差し出す私の手をしっかり握り締めて、ナイストゥーミーツユー「アゲイン」と力強くにぎりかえしてくれたことを今でも思い出す。

 今朝の毎日新聞にそのネルソンさんの訃報が掲載された。私も重病であることは聞いていて、高額な手術のためのカンパにも微力ながら参加させてもらったが、こんなに早くなくなるとは思っていなかった。

 私のなかにあるネルソンさんは、勇気あるその生き様と、ギターを弾きながら腹のそこから訴えかけるように歌う本物のブルース、そして、家族を心から愛して戦争に反対した、尊敬すべきアメリカ人として生き続ける。

 ネルソンさん、安らかにお眠り下さい

アレン・ネルソンさんの講演の記録


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